過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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79:にゃんこ[saga]
2012/02/02(木) 19:44:28.88 ID:sR4KlcE40
「撫でないでよ、もー!」


「照れるな、照れるな。
梓だって撫でられるの好きなんでしょ?」


「照れてないもん!
撫でられるのも好きじゃないもん!」


大声で否定する梓には悪いけど、私も純ちゃんと同意見だった。
梓は人との身体的接触が好きなんだと思う。
唯にはよく抱き締められてるし、私のチョークスリーパーにも抵抗しない。
澪やムギに頭を撫でられて目を細めるのもしょっちゅうだ。
本当に猫みたいだな、と思う。
あずにゃんとはよく言ったもんだよな。


「照れるなよ、あずにゃん」


何となく思い付いて言ってみると、梓は急に顔を真っ赤にして俯いた。
耳元まで赤くしてるのを見ると、よっぽど恥ずかしかったんだろう。
しかし、何で梓はそんなに恥ずかしがってるんだろうか。
『あずにゃん』なんて唯に呼ばれ慣れてるだろうに。
そう思いながら私が首を傾げると、純ちゃんが楽しそうに私に耳打ちしてくれた。


「梓はですね……、
律先輩に『あずにゃん』って呼ばれるのがくすぐったいんですよ」


「もうっ! 純っ!」


純ちゃんの言葉が聞こえていたらしく、
梓が顔を真っ赤に染めたままで純ちゃんを非難する。
仲が良さそうで何よりだ。

でも、私に『あずにゃん』って呼ばれるのがくすぐったい……?
確かに呼ばれ慣れてはいないだろうけど、そんなに恥ずかしがる事なのか?
そこまで考えた直後、ちょっと変な事に気付いて、私も自分の顔が赤くなるのに気付いた。

梓の事を『あずにゃん』と呼ぶのは、私の周りでは唯だけだ。
唯以外の誰かが梓を『あずにゃん』と呼んだら、梓はどう反応するんだろう。
普通にその呼び方を受け容れるんだろうか。
多分、唯が相手だから、梓は『あずにゃん』って呼び方を受け容れてるんだとは思う。
でも、もし……。
誰が相手でも『あずにゃん』って呼び方を受け容れるんだとしたら、
今の純ちゃんの言葉の意味は、つまり……。
いやいや、何を考えてるんだ、私は。


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