過去ログ - 魔王「覚悟するがよい、魔王よ」 その2
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644: ◆KzQg0Q/KK6[sagesaga]
2012/03/06(火) 06:01:12.25 ID:uwnvmgnp0
「お母さん、このおじさんは?」

母「アンタは外で遊んでらっしゃい」

「でももう外は真っ暗だよ? 怖いよ」

母「ん、10Gあげるから。ほら、さっさとどっか行きなさい」

「こ、こんなに!? うち貧乏なのに…いいの!?」

母「どっか行けっつってんだろ!!」

「〜……」


お母さんは突然知らない男の人を家へ招く様になった。
毎日毎日、日によって顔が違う。歳も若い人からおじいさんまで、幅広い。
いつも私に10Gを手に握らせると、時間なんて関係なしに外へ放り出された。
特に行く当てもない私は、教会へ決まって行っていた。
その10Gを教会へ寄付するためだ。寄付は人のため、神様のためになるから。


神父「今日もありがとう…しかし、いつもこんな夜中にどうしたんだい?」

神父「お母さんは? 最近は教会へ来てくれないみたいだけれど」

「お母さんはお仕事が忙しくて。私はもっと神父様に勉強を教わりたいから来ているんです」

神父「勉強熱心なのは感心だよ。でも時間が時間だ。子どもがこんな夜遅くに外を出るのは良くないね」

神父「……もしかして、他に理由があるのでは」

「ないです! 本当に勉強を! それから寄付を」

神父「う〜ん……わかった。とにかくこれから帰すわけにもいかないし、シスターのところへ行きなさい」

神父「きっと温かいスープとパンをいただけるよ。さぁ」

「ありがとう、神父様! スープとパン、わぁーい!」


男を招く様になってから、母は教会へ顔を出さなくなってしまった。

それでも私だけでも教会へ通うことは止めなかった。
そうしていれば、どんどんと変わってゆく母が、また元の母に戻ってくれると信じていたから。



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