過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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7: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/01/19(木) 04:17:03.74 ID:QjgwlDIYo
ワルキューレ「やめろ!……クソ淫魔どもが!こんな事をしてただで済むと……!」

堕女神「…はしたないですね。……この状況で逃げられると、本気で思っているのですか?」

黒く輝く右手が、ワルキューレの口元を塞ぐ。
直後、哀れな戦乙女の体がびくんと震えた。
目尻には涙さえ浮かべながら、持続的にガクガクと体を震えさせる。

言葉にならない叫びを上げている。
それは悲鳴か、あるいは命乞いなのか。
全身を黒い粒子が包み込み、彼女の体を満たす祝福の力をこそげ取り、
堕女神の右手へと運ばれて吸い込まれていく。
それでも逃れようとするも、力を現在進行形で吸われ、拘束されている状況では望めない。
巨人に押さえつけられているかのように、体がぴくりとも動かない。
もがこうと試みる間にも、力が激しく吸い上げられる喪失感。
例えば手首から血が勢いよく噴出して失われていくのを、ただ見ているような恐怖心と絶望。
どちらかといえば後者に、戦乙女の瞳から涙が零れ落ちる。
何よりも――自分の力を吸収している、相手が怖かった。
有り余る敵意、いや殺意を向けられたその目がただ恐ろしかった。

暫くして堕女神が手を離すと、ワルキューレの体が前のめりに倒れた。
全身を打つ痛みにも反応が無い。

精気の宿っていない瞳が、冷たい床をただ見つめる。
穢された生娘のように、放心している。


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