過去ログ - とある白虹の空間座標(モノクローム)
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3:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2012/01/21(土) 23:55:06.43 ID:HOXaWyDAO
〜3月9日〜

カツン、カツンと石畳に鳴り響く靴音。合わせて揺蕩う影法師。
踏み締める足音に合わせて舞い上がる桜の花片が、茜色の夕陽を受けて赤く紅く朱く染め上げて行く。

御坂「………………」

学舎の園を御坂美琴は一人行く。死に絶えた音無の世界の中を、迷う事なくただ一点を目指して。

白井『お姉様、くれぐれもご用心のほどをお願いいたしますの』

御坂「(黒子ってば心配し過ぎ。そりゃああんな下衆な女と2人っきりなんてゾッとしないけど)」

石畳の迷図を抜け出し、大通りを早足で歩を進めて行く。
その先にあるミルクホール『デズデモーナ』、件の待ち人と落ち合う場所。
ここ訪れる前、縋るような眼差しで身を案じて来た白井黒子の言葉を反芻しながら。

白井『御礼参り、という線もありえますの。ましてや相手はあの“女王”ですの!』

御坂「(――あたしとあの女が本気でぶつかり合ったら、飛ばすのは火の粉なんてレベルじゃおさまらないだろうから)」

十字架のように並び立つ風車、墓石のように聳え立つビル群を見上げながら辿り着いた先。
純白を基調とした内装と調度品の数々が並ぶ店内へと入り、二階のオープンテラスへの螺旋階段を登る。すると――

???「――遅かったじゃなぁいみぃーさぁーかぁさぁーん」

御坂「……いきなり呼び出しといてあまり文句言わないで欲しいわね」

テーブルの上にはガラスのティーセット、苺と無花果と胡桃とラム酒を練り込んだ羊羹とクリームチーズ。
蜘蛛の巣を意匠にあしらったグローブに包まれた手にはグリーンティー。靡くイエローブロンドの髪。
しかし御坂はそれらに一瞥をくれるでもなく、席を勧められる前に手足を組んでチェアーに腰掛けた。

御坂「――最初で最後だから付き合ってあげる。あんたの言うティーパーティーとやらに」

向かい合うはダイヤのエースとハートのクイーン、常盤台中学が誇る二人のレベル5、三位と五位。
学園都市最高の電撃使いと精神系能力者。その気になればこのホールにいる客全員を集団自殺にさえ追い込める少女の名は

???「むぅ、私の指導力不足かしらねぇ?こういう時もうちょっとなんかあるでしょぉ?新たな門出を迎える先輩に対して、後輩らしい言葉が」

御坂「――なら、一言だけ」

常盤台中学最大派閥を率いし『女王』――



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