過去ログ - とある白虹の空間座標(モノクローム)
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5:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2012/01/21(土) 23:56:58.60 ID:HOXaWyDAO
〜2〜

食蜂「……やれば出来るじゃなぁい?そういう可愛げを私が在学中に見せてくれたならもっと友好的な関係が築けたかもねぇ〜」

御坂「あんた自分が私やその友達に何したかわかってんの?その無駄にデカい胸に手当てて聞いてみなさいよ」

食蜂「少なくとも、私への口答え不問に付してあげられる程度に心は広いつもりなんだけどなぁ♪」

クリームチーズを乗せたドライフルーツ入り羊羹をパクッと頬張る食蜂を見やりながら御坂は溜め息を吐く。
よく溜め息を吐くと幸運が逃げるとは言ったものだが、食蜂に呼び出された事そのものが不運(デズデモーナ)だ。
非常識だとは思ったが、オーダーは取らない事にした。茶の一杯の時間さえ惜しかった。

御坂「……もういいわ。あんたと話してるとスッゴい疲れるの。呼び出したんなら用件あるんでしょ?早く言って」

食蜂「用件?」

御坂「――御礼参り、とか」

食蜂「……ぷぷっ」

御坂「!?」

食蜂「あはははははははははははははははははははは!!」

ティーカップの取っ手に指を通さない程度に品というもの弁えながら食蜂はテーブルを叩いて大笑いした。
御礼参りという前時代的な物言いがまるでかのナンバーセブン、削板軍覇のようであると。

食蜂「馬鹿ねぇ?そんな事するくらいならとっくの昔に貴女の後輩あたりを寝取ってヤッちゃってるわよぉ☆」

御坂「そんな巫山戯けた真似したら頭消し飛ばすわよ!?」

食蜂「怖い恐い☆けれど頼もしい限りねぇ“二代目”常盤台の女王♪」

御坂「私別にそんなものになりたい訳じゃない!あんたが残して行く派閥の人間にどうこうするつもりもないし、神輿に担ぎ出されるのもごめんこうむるわ」

食蜂「貴女が馬鹿にした政争ってそういうものよぉ?前に話して聞かせてあげたよねぇ」

クリームチーズの油分に艶めかしく濡れ光る瑞々しい唇をこの上なくエロティックに舌舐めずりする食蜂。
その頭の天辺から足の爪先まで値踏みする、魔星を宿した双眸が暗い輝きをもって御坂を映す。
御坂は思う。まるで底の抜けた水瓶のような眼差しだと。御坂の知るもう一人のレベル5の女性とも違う異形の怪才。

食蜂「この養蜂場(がくえんとし)にあって、私達は雀蜂であの子達は蜜蜂だって」

死体が埋まっていると言われる桜の木々が、生温い風に揺られて枝葉をさざめかせて行く――




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