過去ログ - 勇者「世界救ったら仕事がねぇ……」
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869: ◆WPwc2pN1N6[saga]
2012/03/06(火) 23:14:55.95 ID:knbMleMLo
広間前。
勇者達は、全力で廊下を駆け抜けていた。
妨害多数と想像していたのは、完全に外されて、彼らは入り口にいた連中のほかは、さしたる人影にも会わず、扉の前まで走ってきた。
息を切らせながら、勇者が叫ぶ。
勇者「商人っ、賢者の石使えよ!」
商人「無理っすよ、旦那! なんかこれ集中してないと発揮できねぇ!」
虎魔物「……どれ、貸してみろ」
商人「うわあっ、あ、あんたはでかいんだから、急に話しかけないでくれ!」
虎魔物(どういう理屈だ)
勇者「あーもう、役にたたねぇ! 広間つくぞっ!」
勇者が広間の扉を蹴破る。
彼らの目の前で、鳥魔物が哄笑を響かせていた。
鳥魔物は、目の前の物体を手指で締め上げていた。
ぐちゃぐちゃになったそれが、彼女の指からぼろぼろと崩れ落ちる。
ちょこまかと逃げ回り、即席の罠をかいくぐり、小賢しいちまちました攻撃を加えてくる相手を。
あまつさえ、自身を侮辱した人間を、ようやっと握りつぶした歓喜に、彼女は震えていた。
……ただし、周囲からは、玉座をにぎにぎしているようにしか見えない。
鳥魔物「魔王様の仇を、思い知りなさい!」グワシ グワシ
勇者「なにやってんだ、あいつ」
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