210:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 3/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/12(木) 23:59:19.91 ID:Ok8I1j8fo
ある。心遣いのできる素晴らしい子で、成績も良い。あたしには勿体ないほどの友達だ。ちなみにミィコは心遣
いのできない子であたしに程よい感じの友達だ。
シャルはあたしの髪が長かったこと、短くした理由を知っていて、高校からの友達であるミィコは知らない。
おもてむきは部活動の走り高跳びの為だと言っている。
でも、まあ、どちらも大切な友達であることは確かだ。
揚げパンを食べ終わったので立ち上がり、制服のスカートをぱさぱさと持ち上げて揚げカスを払う。もちろん
ジャージを履いているからできる芸当だ。
「次はなんだっけ?」ミィコが聞く。
「保健体育」シャルが答える。「教室移動だよ。女子はLL教室」
今日は座学で男女別の授業とのことだった。女子は視聴覚室、別名LL教室に集まることになっている。
「あたし、でないから」
「なんでよ」ミィコが言う。
「お腹が痛い」お腹を抱えるようにして言う。「ということにして別教室に来いってさ」
「ああ、そゆこと」
「そういうこと」
あたしは、背中を見せる仕草で笑った。
皆が移動しはじめる頃まで教室で話していて、そろそろかな、というところで、メガネをケースから出してか
けた。赤いフレームのアンダーリムでお気に入り。普段はかけていないけれど、授業のときは使っている。そん
なメガネをかけて、授業のあるLL教室に向かう流れに乗らずに離れることにした。
「じゃあ、何か聞かれたら、言っといて。お腹痛いって」
「了解」シャルが抑揚のない返答を返す。
「わたしには言わないの?」とミィコ。
「言わないの」
「だよねー」
ミィコがノートと教科書を抱えて笑った。
シャルとミィコと別れて、あたしは物理室に向かった。
なんで物理室なのだろうか。それはよくわからない。三階の教室を出て廊下を進む。理科系の教室は各階の一
番東にある。窓の外にオレンジの電車が走っていた。そんな景色を横目に、突き当たりの物理室に入る。
理系教室用の大きな教壇の中央に物理のクーヘレン先生が立っていた。
1002Res/642.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。