215:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 8/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:01:52.44 ID:+8WHHyx8o
こちらの授業はプロジェクタを使っての映像講習だった。途中からなのでよくわからないが、一見、グロいピ
ンクの映像が流れている。
「どうだった?」ミィコが小声で聞く。
「クーヘレン先生だった。内容はありきたり。そんなの"知ってんし"みたいな」
あたしのシャレにミィコが笑った。シャルは、辛いのを無理していない? とでもいいたげな視線をよこした。
確かにちょっとそんな気はしないでもない。だが、無理していると感じられたのなら、笑ってくれたほうが良い
こともあると思うんだよ。シャル、笑えよ。
「あと間違えて教室に戻っちゃった。男子の視線独り占め」
ミィコが爆笑した。
だから怒られた。
でも、シャルも小さく笑っていたので良いと思う。
流されている映像の内容はあたしとは関係のないことであるようであった。まあ、だから別授業となったのだ
ろう。「お腹が痛い」という理由付けも教師陣からの配慮だ。あたしが失天使であることがクラスのみんなに知
られない為の。
でもやっぱり遅れている。
失天使かどうかなんて、背中の傷跡を見ればすぐわかる。体育の授業で着替える度に隠すなんておかしいから、
女子はみんな知っている。
そして女子が知っているということはだ。男子だってみんな知っているということである。彼氏のいる奴は全
員別れてしまえばいいと思う。特にシャル。
毎日はたんたんと過ぎていく。授業中に寝たり、部活で膝をすりむいたり、いつも通りの毎日。たぬきを見る
ようなおもしろいことは何もない。
クーヘレン先生のアドレスを貰ったことを二人に話したら、シャルが欲しいというので、先生に確認してから
教えた。あたしが先生にメールを送ったのはその一度っきり。シャルはどうやら物理について質問したりしてい
るようだ。たまにこいつは本当に女子高生なのかと疑いたくなる。たまたまその場にいたので、ミィコにも教え
たが、あたしと同じく利用することはないだろう。それこそが健全な高校生というものである。
土曜日。陸部の練習で学校に来ていた。アップだけ他の部員と一緒に走って、その後は一人でバーと戦うのが
日課だ。めんどうなので大抵はバーの代わりにゴム紐を使ってるけれど。
「ありがとうね」
体育倉庫から、校庭の端までマットを運んでいる途中、反対側でマットを持って手伝ってくれている後輩にお
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