646:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/07/15(日) 09:52:28.42 ID:BlsVpgrXo
>>644
窓を開けても風通しが悪い自室の寝苦しさに目を覚ます
針が指すのは丑三つ時、霧がかかったような意識の中で蝉の甲高い鳴き声が響いた
そういえば、検索の下の方にランクしているような寂れた他人のブログに
”蝉が唐突に鳴いた声は虫に食われた時に上げる断末魔”だと書かれていた覚えがある
そこまでの命だったのだろう 今はとりあえず階下に降りて何かを飲もう
そこまでの命?そこまでの運”命”だったのかそこまでの寿”命”だったのか
運で命が決まるなら結局は運が無い生だったと決まってしまうのだろうか?
そもそも”運”事態、喜怒哀楽で決まるようなものだ
ただ求愛の為だけに鳴く蝉にとっては”運”など無いのだろう では寿命か
思考は階段を半ば降りた辺りから響き始めた面白味の無いテレビと馬鹿笑いで中断される
親父だ 母さんが死んでからその酒を止める奴は居ない、人間のクズだ
いつもならこの時間は酔いつぶれている筈だが”運”が悪かったか
”運”?いや、母さんが居なくなってから俺に感情は消えた筈だ
暖かかった食卓も、厳しく叱りつけてくれた声も、寂しさを包んだその腕も、些細な事でも笑ってくれた笑顔も
親父が散々母さんを暴行して、ある日母さんは死んだ
では”寿命”か、俺が行動することは
あ、やっぱり違うわ これは感情行動だから
そのまま転がってる空き瓶を拾うと”運命”に導かれるまま人間の屑に振り下した
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