過去ログ - ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ16
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903:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/04/13(金) 18:26:10.62 ID:i1aznLUL0
とある妹達の置手紙。
御坂美琴のもとに寿命残り僅かになった妹達から手紙が届く、っつーネタが思いついて書こうとして挫折。


学校が終わり『学舎の園』の外部にある女子寮の自室に戻って一番にすることは、机の上に置かれているノートパソコンを起動させること。
付属の椅子の背を引く。椅子の足底とフローリングの床がぶつかって、カタリッ、と乾いた音が生じた。
腰を落としノートパソコンの液晶画面を真剣な面持ちで見つめる少女。
肩の位置で綺麗に切り揃えられている茶色の髪、凹凸のはっきりとしたスタイル、身に着けるは名門・常盤台女子高等部の制服。

第三次世界大戦が終結して早数年。エカテリーナ独立国同盟周辺で蠢いていた世界の危機。
その渦の中心にいた一人である御坂美琴も――高校生になっていた。

ピピッ、とノートパソコンの起動音が鳴る。その音に反応するように美琴の肩が微かに震るえた。
鼓動を早くさせる心臓を落ち着かせるように、瞼を閉じ深呼吸を数度繰り返す。
しかし、いつまでたっても鼓動は収まらない。結局、美琴は鼓膜にまで届くうるさい脈打ちを無視して、マウスをゆっくりと動かした。
……カチッ、カチッ。デスクトップの端。シンプルなメールのアイコンを、美琴は恐る恐る右クリックで開く。

(どうか、どうか。誰からも、連絡が来ていませんように)

少女の声にならない切実な願いを、『メッセージが二十一件来ています』という知らせが、意図も簡単に打ち砕いた。

「…………、二十一件」

『件』というよりは『人』と言った方が適切だろうか。
美琴のノートパソコンには、世界各地に居る美琴の妹達から、毎日のようにメールという媒体を使った手紙が届く。
今日は二十一人の妹達からの届いた。
昨日は一七人の妹達から、一昨日は一五人の妹達から、一週間前は六人の妹達から。
日に日に受信する数が増えていくメール。ああ、やはり来てしまったか、と瞳を暗くさせる美琴。
彼女たちからのメッセージは、そこら辺に転がっているような雑談をするためではない。
当たり前だが、一人一人、綴る内容は異なっている。
ある者は好いた人への想いをぶちまけ、ある者は瞼に焼きついた風景について語った。
それぞれのミサカが感じたこと、思ったこと、経験したことを自由に書きつづったソレらは、美琴への置き手紙。


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