2:「もっこもこですの」[saga sage]
2012/01/28(土) 18:17:37.96 ID:taakegjCo
ある冬の寒い日。
特にこれといった用のない美琴は、部屋に籠もって図書館から借り出した本を読んでいた。
せっかくの休日だけれども、とりあえず外出する用事はない。
寒いし。
部屋は暖かいし。
んしょ、んしょ
ふと気が付くと、黒子が外出の準備をしている。
「黒子、何処か行くの?」
じゃっじめんと、ですの
「あー。巡回か。寒いのに大変ね。えらいえらい」
ふんす、と黒子は胸を張る。
誇らしそうなその姿に、美琴はクスクスと笑いながら頭を撫でる。
「そっか。それじゃあ風邪ひかないように、ちゃんと服着ないとね」
はっ、と何かに気付いた黒子が素早く身を翻そうとしたところを、さらに素早く捕まえる美琴。
「こぉら、駄目駄目。面倒くさいとか動きづらいとかじゃなくて、ちゃんと厚着しなさい」
美琴はてきぱきと黒子に上着を着せる。
黒子は嫌々と抵抗するけれど、美琴は無視して服を着せていく。
「はい、コートは貸してあげる。それ、温かいのよ」
着ぶくれた黒子は、真ん丸な姿になってすっくと立っている。
もっこもこ、ですの
「んー。ちょろっと動きにくいかな? 歩いてみて?」
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