過去ログ - 妹の手を握るまで(その2)
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/29(日) 22:15:57.62 ID:EQn04HIIo
それからしばらくしてお兄ちゃんは大学の近くにアパートを探して家を出て行った。
両親が留守がちな家にあたし一人残ることになるので、お母さんは大分お兄ちゃんの一人暮らしに反対したようだったけど、最後にはお兄ちゃんに折れた形となって決着がついた。

それから当然だけどお兄ちゃんは全く実家に戻らないようになった。
そして、先輩も受験を目前にしてあたしとは会わないようになった。「妹断ち」って先輩は言ってたっけ。

それよりあたしにとって大きかったのは両親の仕事が年末でこれまで以上に多忙になり、今ではほとんど家に帰って来なくなったことだった。
今ではあたしは一人ぼっち。

学校では妹友ちゃんとあたしはどちらからともなく距離を置くようになっていた。それにあたしは何となくこれまで一緒に行動していたグループから距離を置くようになっていたから、今やあたしは学校でも一人ぼっちだった。それはあんまり社交的ではないあたしにはそれほど気にならならなかったけど、夜自宅でも誰とも会話できないのは相当こたえた。

お兄ちゃんがいないのは仕方ないけど、お母さんともお父さんとも全く会えない日々が続いたのだ。これではまるであたしがひとり暮らししているみたいだ。
お兄ちゃんが下宿する時お母さんはお兄ちゃんへの仕送り用の口座を開設したけど、ついでにあたし用の口座も開設してくれた。家に帰れないので電話のところに生活費を置くことさえできなくなったのだ。

ひどい時には学校で全く誰とも会話をせず、家に帰っても言葉を出さない日々が続いていた。

先輩でもお兄ちゃんでも誰でもいいから話をしたい。気が弱くなった時にそう考えて携帯のメモリーを呼び出すことは何度もしたけど、そのたびに電話することは思いとどまっていた。
年が明ければお母さんたちも家に帰ってくれるだろう。一時に寂しさに気を迷わせちゃだめ。あたしは自分にそう言い聞かせた。

そんなある日、あたしは久しぶりに委員長ちゃんに話しかけられた。


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