39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/30(月) 23:39:21.68 ID:eVa5ekcTo
あたしはその頃にはもう涙を浮かべていた。今更自分がまだお兄ちゃんを好きなことに気がついてもどうしようもない。お兄ちゃんと妹友ちゃんは今も一緒にイヴを過ごしている。
でも、先輩をこれ以上悩ませ傷つけるわけにはいかなかった。たとえあたしが本当に一人ぼっちになってしまうとしても。
「ごめんなさい」
あたしは先輩に言った。
「これまで本当にごめんなさい」
あたしは泣きながら繰り返した。
「泣くなよ。おまえのために別れてやるのに泣かれたら別れる意味がねえじゃんか」
先輩があたしの頭を撫でた。こういうコミュニケーションは初めてだった。そしてこれが最後でもあったのだ。
その時、まだ泣いてはいたけどだいぶ落ち着いてきたあたしの脳裏にふと一つの光景が浮かんだ。これを言ってもいいのかわからないけど、今ではあたしにとって大切な友だちのことでもあった。
「先輩?」
「うん」
先輩はまた微笑んでくれた。
こういう場で聞くことではなかったかもしれないけど、あたしの脳裏には学園祭の後夜祭で委員長ちゃんが先輩に寄り添うように立っていた光景が浮かんでいた。
「先輩、委員長ちゃんのことどう思う?」
「委員長? どうって言われても」
先輩は少し驚いたように言った。
あたしが次の言葉を出そうとした時、あたしの携帯が鳴った。
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