804:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/04(金) 23:25:50.02 ID:n+mpdq76o
もちろん、最初僕は妹さんとは面識もなかった。うちの学校は有名なマンモス校だったから学年によって校舎が異なっていたし、何より自分の同学年にだって知らないやつがいっぱいいるような有様だったので、学年が違う女の子と面識がないこと自体は不思議でも何でもなかった。
幼馴染さんはよく気がつく子だった。見た目も可愛いし人気もあるのだけど、それを周囲にひけらかすことなく自然に生徒会に溶け込んでいた。きっと頭がいい子なんだろうな。僕は一年生にして役員の中心となって働くようになっていた彼女を眺めていて、よくそう考えたものだった。自分が可愛くて人気があることに気がついていないような天然の女の子では絶対ない。自分の人気を誇らないように意識して行動しているに違いない。その行動のせいで彼女は、可愛いけど全然それを鼻にかけないいい人という評判を生徒会内で勝ち取っていた。多分、クラスの中でもそれは同じだったのだろう。
僕は当時はまだ成就しなかった失恋を引き摺っていたから、彼女のことが恋愛的な意味で気になるということはなかったけど、ここまで意識して自分の行動を律する彼女には少し関心を抱いたのだった。それはある意味女と同じだった。彼女も昔周囲の生徒に面倒見のいい女の子という演技をしていたっけ。でも、女は相当自分に嘘を言い相当無理をしてそうしていたのだけど、幼馴染さんの行動は何か自然だった。そういう意味でも僕は彼女に関心があったのだ。
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