858:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/09(水) 23:39:39.05 ID:RB72Yf4Io
「女さん、ちょっと付き合ってくれないかな」
女性を誘うのが苦手な僕だったけど、悩みを持つ相手に対してはまた別だった。高校に入学してから二年以上こういうことをしていなかったのだけど、中学時代に駆使したスキルはまだ身体に残っているようだった。
「よかったら、どこか別な場所で話しをしようか。事情さえ話してもらえれば力になれることもあると思うよ。なんで女子の裸の画像なんか見たいのかは知らないけど、見る方法もあることはあるし」
僕は妹さんに餌をちらつかせて言った。彼女は少しためらっていたけど、結局は僕の誘いに同意してくれたのだった。
・・・・・・中学生の頃、僕が人の相談を聞いていた場所は校内の人気の無い場所が多かった。放課後の中庭とか屋上とか、あまり人がいない時の図書室とか。でも、高校生になった今では校外のカフェとかの方がより知り合いに遭遇する危険は少ない。中学の頃は入りづらかったスタバとかにも今では自由に入れるのだし。
僕は妹さんを促して部室から立ち去った。背中には多数の部員の無言の視線を感じていた。
部室から離なれ校門の外に出ても、並んで歩いている僕たちに下校する周囲の生徒の好奇の視線が向けられた。
それはそうだろう。美少女の妹さんと連れ立って下校する僕なんかを見かければ、いったいどういうカップルなのかと不審に思われても不思議はない。周囲の視線を自分に集めることに日ごろから慣れているかのように、妹さんには全く動揺する様子はなかった。むしろ、これから僕に対して話そうとしていることの方が彼女の心に負担になっていたようだった。
僕はといえば、これから妹さんの話を聞きだせるということへの期待感や不安よりも、むしろ自分が可愛い女の子とデートしているような状況に不覚にも心をときめかせていたのだった。これから二人で向かうのは駅前のスタバ。可愛い女の子と二人きりでスタバに寄り道するそんなシチュエーションは僕にとって初めての経験だった。中学時代に女と手を繋いで下校していた時だって、カフェとかに寄り道した経験などなかったのだ。
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