868:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/10(木) 23:48:33.11 ID:9CBSQsp4o
「先輩って変な人ですね」
再びくすりと笑ってから妹さんが言った。「でも、生徒会長をしてるだけあって本当にいい人なんですね」
「生徒会長であることはあんまり関係ないけどね」
「あたし、せっかくだから先輩に話しを聞いてもらおうかな」
やっと僕は彼女にここまで言わせることができたのだった。
「妹さん、僕を信じてくれてありがとう」
僕は穏やかに言った。僕は冷静に話していたようだけど、やはり内心では相当緊張していたようだった。そしてその緊張がようやくほぐれ出すのを感じていた。
「何で先輩がお礼を言うの? 何か変なの」
妹さんは僕をからかうように言った。これではどっちが年上なのかわからない。
「あと、妹さんって言うの止めませんか。後輩なんだからあたしのこと、妹って呼び捨ててください」
「君が溜め口で話してくれるならそうしてもいいけど」
僕はこの時緊張が去って行ったせいで少し調子に乗ってしまったかもしれない。妹さんに僕のことなんか相手にしてくれなくてもいいと言ったばかりなのに、こんな調子のいいことまで言ってしまうなんて。
案の定、彼女は少し警戒した様子たように見えた。でもそれは僕の誤解のようだった。再び彼女は笑った。
「それでいいよ、先輩。そのかわりあたしのことも妹って呼び捨ててね」
「わかった」
僕は最高な気分になってもいいはずだったけど、ここまでうまく行き過ぎると逆に不安な気持ちが湧き上がってくるのを抑えることができなかった。礼儀正しい正統的な美少女だと思い込んでいた妹だけど、この反応はどうなのだろう。いきなり親しげに僕に話しかけるなんて。
彼女は意外と男と遊びなれた子だったのだろうか。その時僕は少し不安に思った。
それでもその疑念は、眼の前の美少女から気安く話しかけられたという喜びや優越感には勝てなかった。とりあえず今は妹と仲良くなれたことだけ考えよう。
「じゃあ、早速だけど君の話を聞きたいな」
僕は彼女に言った。
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