過去ログ - 女神
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918:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/16(水) 23:49:57.76 ID:QOIFkwBSo
 しばらくして泣き止んだ妹は僕の腕の中から身体を離して、うつむき加減に泣き濡れた瞳をハンカチで拭いた。

「ごめん先輩・・・・・・ありがと」

「・・・・・・うん」

 焦らす気ではなかったけど、この後どうするかについては僕の方から切り出すつもりはなかったから、僕は妹が落ち着くのをじっと待っていた。妹が僕から身体を離したせいで中途半端に置き去りにされた自分の腕を僕はモバイルノートの方に戻して、そっとミント速報の女の裸身が表示
され続けていた画面を閉じた。屋上には人気はないようだったけど用心するに越したことはない。

 そのまま妹が話だすのを待っていたけれども、妹はうつむいたまま黙ってしまってた。

 そのまましばらく沈黙が続いた。これからしようとしていることはある意味人の人生を左右することになるのだから、それを切り出すのは妹の方からでなければならなかった。僕の方からそれを積極的に切り出すわけにはいかない。

 それでも沈黙が続くと僕は少し焦り始めた。妹だってもう何をすればいいかは理解できているはずだ。どうすればいいかはわからなにしても、そうするという意思さえはっきりと口に出してくれれば方法論は僕が考えてあげることができる。そもそも妹だってそれを期待して僕に近づいたのだろうから。

 だけど、妹は何も喋り出そうとしない。妹もこの先に取るべき手段について僕の方から切り出されるのを待っているのだろうか。そうすることによって僕を共犯にし、結果に対する責任を僕と共有することによって自分の罪悪感を薄めようとしているのだろうか。


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