過去ログ - 女神
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921:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/16(水) 23:59:21.83 ID:QOIFkwBSo
「どうするの?」
 妹は細い声で言った。

 本当に気がついていないのだろうか。それともわざと僕の口から提案させようとしているのだろうか。僕は迷った。僕は自分が当初想定していたシナリオから逸脱し、いつのまにか僕の方から積極的に作戦を提案するような立場に追い込まれていた。

 ここに至って再び躊躇したけれど、結局妹への執着心が僕の理性を制圧してしまった。妹は僕の第一印象よりは清純な女の子ではないかもしれないけど、女とは違って複雑な思考の結果、僕を利用としようとするような子ではないに決まっている。盲目的な妹への執着が僕の心の中の小さな葛藤に勝利したようだった。僕はその手段を妹に話し出した。

「言っておくけど、これをやれば兄君と女は別れるだろうけど、そのかわり女さんには相当ダメージがあるし兄君だってそれなりに傷付くと思うよ」

「・・・・・・いったい何をする気なの?」
 何をする気なのって。

 妹は完全にことが僕主導で運ぶものだと思い込んでいるような口調で言った。でも妹に執着していた僕は心の中の妹の言動への疑問は押さえつけてしまっていたから、僕はその続きを話すことにしたのだった。

「何をって、簡単なことだよ。女の女神行為を先生にばらせばいいんだよ。ミント速報のURLを担任に送付するだけじゃん」

 そのことが意味することは妹にも理解出来たろう。それはある意味女の人生を、少なくとも女の高校生活を破壊することに繋がる行為なのだった。

 妹は黙り込んだ。ここまで深入りしてしまった僕だけど、妹のゴーサインがはっきりと示されなければこれを実行するつもりはなかった。今度は僕も妥協する気はなかった。妹が何か話出すまではもう自分も黙っているつもりだった。


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