956:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/19(土) 23:14:36.36 ID:PkPM/mEHo
いくつかのパソコンの画像をチェックしているうちに彼女はある機種が気に入ったらしかった。
「これすごく薄くていいなあ」
「別に可愛くはないよね。あと、それマックだし」
「これは駄目なの?」
「駄目じゃないよ。でも可愛いというより格好いい方に近いかな。それにAirって大学生とか社会人とかがよく持ってるんだけどね」
「それでもいい。これ欲しい」
驚いたことに彼女はその場でそれを購入するよう僕に頼んだ。用意周到なことに彼女は父親のカードの番号やセキュリティコードをメモに控えてきていた。
「お父さんにお願いしたらこのカードでネットで買っていいって。本当はお兄ちゃんに頼むように言われたんだけど」
まあ、今の妹と兄君の関係なら気軽にそういうお願いはできないだろう。これでは本当に僕は臨時のお兄ちゃんだった。
二十万円以下ならいいらしい。僕はメーカーの直販サイトでそれを注文した(僕は妹の住所をこの入力過程で手に入れた)。あとはギフト扱いにして妹の父親の名前でなく彼女宛てに届くようにした。
「明日には届くみたいだよ」
僕は彼女に言った。僕は彼女のために必死でパソコンを購入していたのに、彼女自身は僕が黙ってスマホでオーダーに必要な項目を入力していることに飽きてきたようだった。
「まだ終らないの」
妹は不服そうに言った。「これじゃ、パソコンを注文しているだけでお昼が終っちゃうじゃん」
「もう少しだから」
僕は答えた。こういうわがままを自然に、かつ無邪気に言えるところも僕が彼女に惹かれた理由の一つなのだろう。
「せっかく初めて先輩とお昼一緒なのに、これじゃあ何も話せないじゃない」
僕の昼休みを多忙にさせた原因を作った妹は無邪気に文句を言った。
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