過去ログ - 妹「悪魔を召喚して、お兄さまと恋人になるわ!」
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75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/02/12(日) 06:45:16.21 ID:aJxKwgZDO
〜 現在 〜

アスモ「はっ!?」

アスモデウスが目を見開く。
そこは湖でもなければ海獣の口の中でも無く、十畳強ほどの大きさの真っ暗な部屋だった。

アスモ「ゆ、夢か……ふう」

昔のトラウマを思い出して、アスモデウスは軽く身を震わせる。

アスモ「うう、ワシを魚嫌いにしたトラウマめ、いまだに夢にまで出て来るとは」

アスモデウスが自分の頭を押さえながら、そうつぶやく。
すると、不意にアスモデウスの隣から声が上がった。

?「そうね」

アスモ「うおっ! 誰じゃっ!?」

人間に比べると夜目が利くアスモデウスである。
すぐに声の主は見つかった。

妹「アスモちゃん……」

アスモ「ひいっ!?」

妹「すぅ……すぅ……」

アスモ「って、寝ておるのか? まったく、驚かせおって」

アスモデウスは胸を撫で下ろす。
しかしそこで、自分と妹のいる位置がおかしいことに気が付いた。

アスモ「ベッドの上? ワシだけ?」

妹は床に布団を敷いて寝ており、一方アスモデウスはベッドの上にいた。
どうやら、妹が寝床を譲ってくれたようだとアスモデウスは納得する。

アスモ「……ふむ、この待遇の様子ならば魔術は成功したようじゃな」

アスモデウスは布団から体を出してベッドに腰掛ける。
そしてそのままアスモデウスは足をぶらぶらと揺らしながら、静かな寝息を立てる妹を見下ろした。

アスモデウスが妹に仕掛けた魔術は、何を隠そう『魅了』の魔術だった。
魔神アスモデウスの魔力の大半を使用する『魅了』の魔術は、対象となる者の価値観を狂わし、アスモデウスを最上位の価値として置き換える驚異の大魔術である。
ただ、この大魔術にも欠点があった。

アスモ「しかし、成功してくれて助かった……この魔術は男にならばよく効くが、女にはほとんど効果が無いからの」

アスモデウスと同じ性である女の場合、『魅了』は効きにくくなる。
ただ、よほど魂の性質が近いか、『愛』や『憎悪』の執着心が強いと話は別だが。

アスモ「ワシの体も中途半端に召喚された状況じゃし、妹の執着心が生んだ奇跡……いや、すべてはワシの機転の賜物か」

アスモデウスは自慢気に鼻を高くして、にやりと笑った。


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