104:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:36:14.36 ID:vAi26PND0
思わず唾を飲み込んだ妹の目の前で、姉はあっけらかんと微笑んで、すらりと言い放った。
「マルディがくれたの。綺麗でしょう?」
「は……?」
「だから、マルディが」
言葉を失って立ち尽くす妹の前で、大事そうにそれを指先でくるくると回し、そしてカランはまたポケットの奥に閉まった。
「そういうわけで、私はあれいらないの。分かった? お風呂に戻ろう」
「…………正気? 頭おかしいでしょ……」
数秒沈黙して、やっと出てきた言葉がそれだった。カランはまたやんわりとやり過ごそうとして……しかし妹からはっきりと恐怖の感情がわきあがっているのを感じ、言葉を飲み込んだ。
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