113:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:44:12.57 ID:vAi26PND0
しかし薄電灯に照らし出されたその顔は、その体格や服の様子とは似ても似つかないほどの明朗快活としたものだった。長く、茶色い髪の毛を合成樹脂で固めている。顔には部族の男性が正装する時のように、目元に赤い顔料で三本の線が、それぞれ右、左と引かれていた。線は口元まで伸ばされ、そこで切れている。
まるで鷹のような青い目をした男性だった。二十代前半だろう。明らかにカランよりも年上だが、しかし目はいたずらをする子供のように輝き、優しい光を放っていた。
足を広げた姿勢で座ったまま、彼はカランがこちらを向いてポカンとしているのを見て、にっこりと安心させるように笑ってみせた。
「よ、こんばんは」
一言、滑らかなテノールボイスを発してから肘立てをしている逆の手を上げる。
そこでカランはベッドから上半身を起こし、慌てて寝巻きの胸元を毛布で隠した。
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