116:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:48:04.61 ID:vAi26PND0
彼は少しだけ泣きそうに顔を歪めた後、ポリポリと頭を掻いた。
数秒間、男性とカランは見詰め合っていた。
悲鳴をあげかけたのは反射的なものだった。
驚きが理性についてこなかったのだ。
幸い……と言っては何なのだが、この男性が押さえつけてくれたおかげで、僅かにカランも冷静にものを考えることが出来る余裕が生まれていた。
――抵抗する気は、なかった。
男性は、少女の頭を枕に押し付けていたことに気づき、慌てて手を離した。そして彼女の上から降り、ベッドの上に腰を下ろす。
「ははっ、姫巫女ってのは、みんなこんなべっぴんさんなのか? 遠くで見るのと、近くで見るのとじゃ全然違うな」
「……」
「おまけにやわらけぇと来た。あんた、ホントに俺と同じ人間か?」
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