128:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:56:40.84 ID:vAi26PND0
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二人は、寄り添って座っていた。
あの羽生やしの儀式から一時間ほど。大方のカランの体調は安定し、普通に話せる程に回復していた。
眼下の空調施設……地下に作られた広大な巨大フィルター。ゴゥン、ゴゥンと回転の音を立てながら回っている錆び付いたプロペラ。一キロほど伸びている金網の下の、羽一つが数十メートルはあるそれらを見下ろす。
彼らは、地上八メートルほどの監視台の上にいた。周囲にはやりかけの工事現場のように、鉄骨が組み込まれた足場がある。贔屓目に見ても、彼らがいる場所は入り口から数キロ離れている。それに入り組んでジャングルジムのようになっている鉄骨の先端部分。そこにカゴが渡してあるのだ。
二人でぶらりと足を垂らし、一つの毛布を共有している。白い息を吐き出しながら、カランは風で巻き上がっている自分の、雪のような髪を掻き揚げた。彼女の骨羽は、羽織ってきたコートの中に折り曲げられるようにして収納されている。傍目にはそんなものがあるなんて分からないほどだ。
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