154:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:15:02.59 ID:vAi26PND0
しかし、彼女にだって痛いのは嫌だった。ましてや傷が残るのなんてまっぴらだ。慌てて彼女達から離れようと、自分の頭だろうと体だろうとお構いなく投げ落とされる衣服を掻き分けて外に出ようとする。
そこで、一人の娘が足を上げ……まるで虫を踏み潰すかのように、這って出ようとしたカランの脇腹を踏みつけた。優しい踏み方ではなかった。胸骨が折れてしまったのではないかと言うくらい床に胸を叩きつけられ、ショックで思わず悲鳴を上げてしまう。
痛みが脳までジンジンと響いてきていた。恐怖と、先ほどの妹との喧嘩で呆けて訳が分からなくなっていた頭が本格的にパニックを起こしてしまう。
悲鳴を上げても、服を脱いでいる娘達は気づいた様子をしようとはしなかった。また別の娘が、今度はかかとの高い靴を履いたまま、奇妙な笑みを浮かべつつカランの右ふくらはぎにそれを踏みつけさせた。
骨と腱が圧迫され、正真正銘の切り裂くような激痛に、カランは掠れた叫び声を上げた。
「い……いたい……痛いです……痛い……」
ふくらはぎを手で掴んだまま、床に丸くなる。腕も足もブルブルと震えていた。また踏みつけられるのかもしれないと、出口はすぐそこなのに想像しただけで体が萎縮してしまい、動くことが出来ない。
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