181:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:12:07.61 ID:oNd+Ad/T0
ゼマルディに不思議な薬で治療はしてもらい、体の痛みは消えたが……心に刻み込まれた恐怖心は全く消えていなかった。いや……なまじ体の痛みがない分その精神的な傷跡に致命的な血を垂れ流させていることに、他ならぬ治療を施したゼマルディは気づいていなかった。
痛みがあれば、逃避することが出来る。
我慢をすることができる。
我慢をすれば、しているだけ心は麻痺して現実を考えずに済む。
そうなのだ。
蹴られて、痛かった。怖かった。それらの感情とあの時の痛みがリアルに心の中にリピートする。
カランは、独りでそれに耐え切れるほど強い子ではなかった。つまり、今の彼女には逃げ場がなかったのだ。
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