183:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:13:12.58 ID:oNd+Ad/T0
しかし、やはり羽生やしの儀式の直後にリンチを受けたことでカランはもう限界だった。突然目の前がぐにゃりと歪んで、自分で自分の足に引っかかってしまう。
ビタン、とカエルを地面に叩きつけたような無様な音を立てて、美貌の少女は顔面から床に倒れこんだ。受身も取れずにしたたかに鼻をぶつけてしまう。一瞬視界に星が舞う。
鼻血が出てきたことに気がついて、慌てて袖で鼻を押さえ……そこで彼女は、野次馬達のみならずその場全ての目が自分を向いていることに気がつき、心底から震え上がった。
反射的に叫び声をあげようとした途端、しかし声が出てきたのは彼女の口からではなかった。丁度担架で運ばれていく途中の少女の一人が、震えながらカランを見止め、指差して訳のわからない言葉を叫びだしたのだ。
あまりの寒さのせいか、言葉になっていない。しかしその場にいる少女達は全員仰天として二人のことを見ていた。
監査官達も突然の事態に面食らったようだった。口汚く呪いの言葉を吐き散らす子とカランを交互に見て、そしてへたり込んでいるカランを険しい目で睨みつける。
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