238:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/11(土) 19:19:52.31 ID:87ru5DuQ0
昼間……ルケンと会った時、カランは廊下の突き当たりに彼がいたことを知っていた。ルケンの視線を追っていくと、柱の陰に隠れている彼のマントと思われるものがチラリと見えたのだ。それどころか、あそこまでルケンに近づかれたのに正気を失わなかったのは、ゼマルディのレモンの香りがしたからだったのだ。
彼は悪くない。
彼は、何一つとして悪くない。
そもそもの本質が違うのだ。
――そう、これは。
これは夢なんだよ。
カランは息をついて、そしてぐったりとまた目を閉じた。
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