264:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:03:25.69 ID:z5UY+Nzb0
痛かったでしょう。苦しかったでしょう。
――どうして逃げなかったの。
――どうして逃げてくれなかったの。
カランは、そっと。
毛布を潜り出て立ち上がると、部屋の隅に水を溜めておいたバケツを引きずって彼の隣に置いた。そしてタンスの中からありったけのハンカチや、自分のケープ、ストール類を取り出して水に突っ込む。
そして彼女は、ゼマルディを起こさないように彼のマスクを外した。
思わず目をそむけた。
涙が出た。
痛くて、辛くて涙が出た。
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