270:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:07:01.16 ID:z5UY+Nzb0
動こうとして、しかし体が強張ったようになってしまったのを感じ、カランは背中の骨羽を心細そうに何度か鳴らした。その音を聞いて、ゼマルディが隣の小さな女性を見下ろす。
「よお、昨日は悪かったな。おかげで大分元気になった」
右唇が溶けて下のものと癒着してしまっているために、声がくぐもっている。どこかのどの一部が破れているのか、やけにガラガラ声だ。
しかし昨日の半死半生の状態と比べると、相当しっかりした声だった。
思わず涙が出て、羽を風鈴のように鳴らしながら、その残った腕にしがみつく。
「ご………………ごめんなさ…………」
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