275:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:09:21.58 ID:z5UY+Nzb0
「上って……どこ?」
「正確にはここから三百メートルほど上の、地上だ」
「地上? そんなところに行ってどうするの?」
一応は、カランも小さい頃から教えられていた。自分達は地下という岩の下に暮らしていて……。
そして、その地上というところは、氷で覆われた死の世界だと。
自分達は岩という屋根に守られているから生きていけるんだと、繰り返し教えられてきた。
最初はゼマルディがヤケになってしまったのかと思った。しかし青くなった彼女を見て、少しきょとんとした後、彼は憔悴した顔を緩めて肩をすくめた。
「匿ってもらう。知り合いがいるんだ。それに、流石にこのままだと死にそうだ。ちゃんとした治療もしてもらう」
「上にも、人がいるの?」
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