282:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:13:16.40 ID:z5UY+Nzb0
殆ど奇跡といってもいい。
顔を上げた彼女の目に、自分の部屋……六畳はあるその部屋が、何か巨大な衝撃波に薙ぎ倒されるかのように、その全てが後方に吹き飛んだのが見えた。
部屋の中身ではない。
部屋、それそのものがだ。
丁度ゼマルディが入ろうとしていた壁が、根元からそのまま吹き飛ばされ、部屋の中のものを叩き潰し……そして対抗側の壁に叩きつけられ、それをも砕いて向こう側に抜けていく。
全てで、十五部屋。
廊下の端から端までその何かは突き抜けると、最後の部屋の壁を轟音と砂煙を上げて吹き飛ばし、圧搾されて潰れた缶のようにサンドイッチになった瓦礫の山と共に、建物の壁までをも突きぬけ、外の地面を何度かバウンドして転がり、狂気の音色を立ててスライドし、やっと止まった。
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