335:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:42:34.68 ID:3SORN3Q00
針はとても短く、五ミリほどしかない。ハチに刺されたくらいの痛みだ。しかし注入された少量の薬液がもたらした効果は絶大で、ゼマルディは何度かグラグラと頭を揺らした後、カクリと頭を折った。そしてそのままソファーに沈み込んで眠り始める。
急いで注射器をポケットに隠し、ドクはそこで一息をついた。
「……しかし、三本目を直接注入してやっと寝るとはなぁ……一体全体龍の体はどうなってるんだ? 経口摂取じゃ効かないのかな……」
思わずと言った具合で呟く。ゼマルディが眠ったのを確認して、ウェイトレスが近づいてきた。そしてドクに何事かを耳打ちし、彼からまた、さらに札束のチップを握らされる。
ドクが立ち上がると、ウェイトレスは慣れている動作でその席を囲むようにカーテンを閉めた。次いでウェイターの服を着た頑強な男が数人、その周りに警護兵のように立つ。
ドクはそれを見て何度か頷くと、ウェイトレスに手を上げて店を後にした。
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