342:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:47:11.12 ID:3SORN3Q00
どれだけの間座り込んでいただろうか。
ぼんやりと床を見つめているゼマルディの後ろで、不意にカランがもぞもぞと体を動かした。その羽がリンリンと澄んだ音を発し、彼女は小さく欠伸をして目を開いた。
弾かれたように顔を挙げ、ゼマルディは彼女の脇に屈み込んだ。
「大丈夫か?」
怒鳴るように聞くと、目の前の妻は白髪をかき上げながらきょとんとした視線をこちらに送った。
「……え? 何が?」
まだ麻酔が効いているのだろうか。かなり眠そうだ。
毛布の中に手を入れ、彼女の小さな手を握る。痩せたその手は、冷たかった。
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