371:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/15(水) 20:08:48.43 ID:EmuY6hvN0
そこで、カランをドクが抱き上げているのを横目で見たゼマルディの唸り声が大きくなった。
「ウルル……クル……ククルルルル……」
言語ではない。もっと単純な何かだった。
「クルルルルルルルルルルルルルルルル」
彼が動いた。ぐらりとふらつきながら立ち上がる。そして片手でマスクを直し、奇妙に発光している目でドクを睨みつける。
マスクを動かした左腕は、手の甲までびっしりと……トカゲのような薄緑色の鱗で覆われていた。
ゼマルディの顔は、不気味な容貌に変質していた。彼の特徴的なピエロのマスクがなければ分からなかっただろう。腕一面に広がったその鱗が、皮膚を突き破り血と皮、そして油を垂れ流しながらミキミキと音を立てて内部から競りあがってきているのだ。
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