48:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:46:12.22 ID:A45p+aH70
次いで投射装置から光が発せられ、携帯端末の前方十センチ四方ほどに光スクリーンを形成する。そこに、七十代ほどの壮年男性が映し出された。びっしりとした、爪の着ているような黒色のスーツに身を固め、筋骨隆々とした体格が盛り上がっている。白髪はオールバックに固められ、顔に刻み込まれた皺とはアンバランスな若々しさを放っていた。右目が白濁していて、視力がないらしい。オッドアイのような瞳で愛寡を見止め、彼は深々と頭を下げた。
『聖上、お早う御座います』
「お早う、浮屋」
浮屋と呼ばれた男性は、もう一度深く頭を下げた後、顔を上げて続けた。
『あと二十分で大礼拝が始まります。そちらへ高速艇を向かわせます故、暫くお待ちいただけませんでしょうか?』
「ええ……待ち、ます」
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