484:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:03:56.20 ID:rIc6JsyG0
「……面倒なコトになりそうダナ」
カタカタと、テーブルの上の血のグラスが振動していた。
爪が歯軋りするたびに、振動が大きくなっていく。
遂には、功刀が持っているグラスと、愛寡がテーブルに置いたグラスが、パァンッ! と音を立てて砕け散った。
「きゃ!」
悲鳴を上げて、愛寡がその場にうずくまる。
「てめぇ、コロス。絶対に、コロス」
爪の瞳が、段々と赤く変色しはじめる。
部屋の中全体が、小さく振動を始めた。
「俺ハ退散シマス。面倒ゴトは御免だ。愛姉、コイツは処分スルことをススメます」
功刀は、爪を一瞥することもなく背を向けた。
その体が、ゆっくりと影の中に沈みこんでいく。
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