52:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:50:13.46 ID:A45p+aH70
2 反発の狂人
浮かない顔をして壇上の最上段に腰を下ろした師を、爪はぼんやりと見つめていた。
ガラス張りの周囲……二千人以上を収容できる教会の大祭壇の壇上。その上の待機場に彼はいた。実際のところ、このガラスはマジックミラーのような加工が為されていて、祭壇側ではただの白い壁のようにしか見えない。
しかしこの部屋にいる限りは、前面全てを見通すことが出来る便利なものだった。
実際、愛寡が礼拝で何かを話すことはない。
いつもちょんと座っているだけだ。
そもそもが彼女が喋ることが苦手であるということもあったが、一番は彼女自身がこの礼拝を望んでいないという点があった。その事実は爪だけが知っている。
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