53:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:51:02.38 ID:A45p+aH70
六畳くらいのカーペットが敷かれた待機場で、爪は不貞腐れたようにそっぽを向いたまま、大きくソファーに胡坐をかいていた。
その正面に、もはや呆れ果てたと言わんばかりに浮屋が背筋を伸ばして座っている。
「……もう一度言うぞ? たわけ者め」
わざと共有言語で話をしている。爪は面倒くさそうに耳の穴に指を突っ込んでぐりぐりと回した。
「……無断で聖上を連れ出したばかりか、街中で魔法を使う違反。普通ならば厳罰以前の問題で即刻処刑だ。お前はこれをわきまえておるのか?」
「……」
「ルケン、クレイ!(聞け!)」
その名前を呼ばれた途端、爪の顔色が変わった。僅かに腰を浮かせ。
そして彼は反射的に浮屋に対して右手を伸ばしかけたが、眼下に愛寡がいるのに気がついて、自分の左手で右手を掴んで押し留めた。
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