61:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:56:24.49 ID:A45p+aH70
シャンデリアが形成する『影』……。
それは、数百の電球により、幾重にも分かれて床や壁に投影されていた。
毎日、そうだった。
それくらい言葉が不十分な自分でも分かる。
しかし……その影が今日はやけに濃いのだ。礼拝席の下の方……つまり人間達の足元に、幾重にも分かれず、墨のように真っ黒なそれが広がっている。
それどころか、その一つ一つがくっついてアメーバのように全体を……壁の下までもを覆っていた。
――動いている。
よく見ると、その影は動いていた。
ここまでも。
この、待機室の入り口程からもそれが入り込んでいる。先端がイソギンチャクの触手のようにゆらゆらと蠢きながら、実に奇妙なことなのだが、『影』が……その影が、するりと待機室に入って他の影を食い、そこを真っ黒に塗りつぶしながら広がっている。
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