過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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66:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:59:34.04 ID:A45p+aH70
穴の中から、ポケットに手を突っ込んだまま……カラスのようなコートに身を包んだ大男がゆらりと立ち上がったのと。
その彼の胸に、爪の指先から撃ち出された空気の渦が突き刺さったのは殆ど同時のことだった。
石灰岩を握りつぶすような、胸骨が粉々に破砕される不気味な音が響く。大男の体は、後方に吹き飛びもしなかった。ただその空気が回転しながら弾痕を広げ、胸部全体にクシャリと、ドリルのように抉りこむ。
それ自体が衝突の瞬間一秒半ほどで消滅したが、与えた影響は甚大だった。
煙が晴れ、体から合成コンクリートの破片を零しながら立っている大男。百メートル以上もの距離を弾き出され、強化素材のコンクリートを突き砕いても悠然と立ち上がってきたそれの口から、ボコリと泡を立てた血痰が逆流する。床に相手が血を吐き散らし、膝を突いたのを見て、爪は面白そうにゾクゾクと体を震わせた。そして猫が鼠をいたぶるように、また大男に指を向け……思い直して下ろす。


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