67:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:00:05.04 ID:A45p+aH70
黒コートの男は、同様に黒色の細いサングラスをかけていた。あまりにもその色が濃いため、奥の瞳を確認することは出来ない。首から上以外が全てコートで隠れてしまっている。血を吐かされたというのに、彼は未だにコートのポケットから手を出そうとしなかった。
髪はオールバックにまとめられた灰色がかった黒髪。体格はかなり凄まじい。盛り上がった筋肉。肩幅が爪の比較にならない。
そして相手の顔面……その右半分からは、機械のコードのようなものが、いびつに所々飛び出していた。
(……アンドロイドか……?)
だとしたら、この攻撃では致命傷にならない。
――何より。
痛みを感じない相手に対していくら攻撃をしたところで。
面白くもなんともない。
一気に興味を削がれた気分になり、爪は無人となったビルのフロアで、嘲るように猫背の背を伸ばした。そして鼻までかかった長い髪をかきあげる。
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