7:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:12:39.41 ID:A45p+aH70
 いつもそうだ。 
 この人は、いつも無邪気な顔で。 
 私のことを認めてくれる。 
 ここにいてもいいよと、何もしないでも認めてくれる。 
 この人は。 
 この人だけは……。 
 口を開きかける。しかし愛寡はそれを閉じ、発しかけていた言葉を飲み込んだ。 
 そして、また疲れたように微笑んで、口を開いた。 
  
 「いい、のです。もう、終わったですから」 
  
 愛寡の喋り方には奇妙な訛りがあった。いや……訛り、というよりは、はっきりと言語障害だと分かる言葉の使い方。不思議なところで語りをとめたり、文の接続詞が異なったり、表現が狂っていたりすることも往々にしてある。 
 彼はそれを分かっているのか、手を下ろしてもう一度言った。 
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