70:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:01:26.70 ID:A45p+aH70
見た目は、ただのビンタだった。
しかし渾身の力で放たれたそれは、フロアの床をまるでウェハースのように貫通し、そしてその下のフロアも同様に突き抜け……実に五階建てのビル、地下フロアの床下まで突き飛ばした。
床に撃ち当たった瞬間に、大男の体は半分以上が四散してしまっていた。そもそも爪が手を叩きつけた部分が、泥玉を地面にぶつけた時のように握り拳大の肉片に破裂し、周囲の壁に前衛芸術のように張り付いている。
もくもくと立ち昇る床の破片。
そして、頭からずぶ濡れになった――他ならぬ、今しがた爆裂させた相手の血液で――若い魔法使いは、数秒間腰を落とした姿勢のままじっとしてから、大きく深呼吸をした。
その拍子に、頭に乗っかっていた相手の内臓の一部と思われるものがずるりと床に落下する。
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