721:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:57:51.79 ID:oI7jiOK60
かすかな、かすかな臭い。
だが、忘れるはずもない臭い。
あの男の臭いがしたような気がした。
爪は、慌ててハッチを閉めて、硬直した。
『大将、どうなさいました?』
通信で仲間が呼びかけてくる。
爪は胸のロケットを握り締めると、僅かに震えながら、歯を噛んだ。
そして小さく言う。
「何でもない。行く」
あいつは生きていた。
師の言うことは嘘ではなかった。
ここで排除しなければいけない。
俺の、全身全霊をもって。
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