92:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:24:19.65 ID:vAi26PND0
「……羽だよ羽。私にはもう出てるのにさ。どうしてお姉ちゃんは未だに子供なわけ?」
そう言って、彼女は浴場の淵に腰を下ろしながら僅かに前かがみに姿勢を崩した。
――その背中から伸びているのは、手の平大の小さな……鳥の羽骨のような物体だった。
いや、本当に手の平だ。外側を向いた状態で、子供の手のような形を連想とさせる白い骨が、肩甲骨の隙間から盛り上がっている。
少女が僅かに力を入れると、それはカシカシという音を立てながら根元から揺れ動いた。そして少しだけ鈴の音のような音を反響させる。
二人の少女は奇妙すぎるほど顔が似ていた。
しかしそれは双子の類似ではなかった。
例えるならば母と子。
それほど、彼女達の持つ雰囲気は異なっていた。
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