過去ログ - ハルヒ「神の右席へ」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga]
2012/02/11(土) 11:32:03.33 ID:GqBTWdje0

 少女が不満そうに剣を眺めていると、ふと家の方から男の声がした。目線を向けると、
火だるまになった家の玄関から、今まさに男が這い出ようとしている所だった。

「へえ……」

 少女は感心したような声を出して、男に歩み寄っていく。
 酷い有様だった。
 髪は燃えて散り散りになり、靴は片方しかなく、黒い修道服は焦げて皮膚にへばり付い
ていた。元は神父だったようだが、今となってはもう見る影もない。

「た、頼む……、助けてくれ、み、見逃してくれ。できる事なら、何でもする。イ、イギ
リス清教の、犬になってもいい。だから……頼む」

 悲痛な叫びだった。
 立ち上がる事すらできない男は目に涙を湛えながら、物乞いをするように少女へと手を
伸ばす。
 救いの手を、慈悲の手を。
 対して、少女のとった行動は単純だった。
 右手の剣の先端を、黙って男に向ける。

「そ、そんな―――ッ!」

「なぁにあたしが悪者みたいに言ってんのよ」

 男の訴えを遮るように言って、少女は鼻で笑う。

「あんた、自分が何やったか分かってんでしょ? そんであたしが何しに来たのかも分か
ってるわよね? じゃあ結末は一つじゃない」

「そ―――」

 男が必死の形相で何かを叫んでいたが、もはや彼女は聞いてなどいなかった。
 極めて事務的に最後の言葉を告げ、その切っ先に命令を下す。



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