過去ログ - ほむら「この話に最初からハッピーエンドなんて、ない」
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以下、VIPPERに代わりましてGUNMARがお送りします
[saga]
2012/02/16(木) 00:35:59.95 ID:hAmAlqxK0
しんと静まり返った室内。無音が却って耳に痛い。
その痛みは、ほむらが身に纏う空気の重さだ。
夜のしじまに堪えかねて、徐に立ち上がったほむらは、部屋の中央に垂れ下がる紐を引っ張った。
スイッチが入り、蛍光灯の白さが室内を満たしたが、暗がりに慣れきっていたほむらは、眩しさに目を塞ぐ。
徐々に明るさに目が慣れてくると、やがて部屋全体が見渡せる様になり、そして机の上にある物を見て、ほむらはぎょっとした。
古い勉強机の上には、半分以上が黒ずんで濁ったソウルジェムが置いてあった。
しまった、とほむらは臍を噛んだ。
不意打ちだった分、ダメージが尾を引いてしまった様だ。
自分がどれだけ危うい状態にあったのか、見える形で提示されて、寧ろ僥倖だったと言うべきか。
泣いて落ち込んでいる場合じゃない。
ソウルジェムの管理は、きちんと行わなければ。
ほむらの様な魔法少女にとって、それは文字通りの死活問題なのだ。
……その重要性に気付いている魔法少女が、さほど多くないというのは残酷だったが。
ほむらは台所へ行き、流しの蛇口を捻って、水でバシャバシャと顔を洗った。
大雑把に、手拭きタオルで顔をごしごしと拭う。
宛ら心に沁み付いた涙まで、洗い流す様にして。
部屋の反対にある壁掛けの時計を見遣ると、時刻は午前3時を指し示していた。
明け方までは、もう暫く間がある。
眠るには中途半端だが、今から魔女退治というのも効率が悪い。
これから、どうするべきか。考えを巡らせる。
目下の急務は、ソウルジェムを浄化する為に必要なグリーフシードの確保だろう。
これは最優先。
問題は、その後だ。
まどかが、居ない。
今回のほむらには、最大にして唯一の目的が無いのだ。
一体、どういう行動を取ればいい?
まどかの為にしてきた行為。今回に於いてはその一切が必要無い。
例えば――キュゥべえを攻撃して、まどかとの接触を阻止する行動。
ほぼ無限に沸いてくるアレを殺しても不毛なのは分かっていたが、やらざるを得なかった。
そうだ。ワルプルギスの夜。
あいつと戦う必要も、ない。
最終決戦に備えて、多量の兵器を調達する理由も無い。
ほむらも、手段を選ばないとは言っても、自衛隊や米軍基地に侵入しての窃盗行為には気が咎めていた。
凡そ有り得ないレベルの不祥事に、飛んだクビの数は一つや二つでは済まない筈だ。
ワルプルギスの夜と戦わないなら、他の魔法少女、巴マミや佐倉杏子と手を結ぶ道理も無い。
尤も、彼女等はそれぞれに手強いので、下手に反感を買い、敵対しない様に注意を払うべきではあるが。
行う必要性が無い、となるとこんなところか。
ほむらが今回取るべきは。
それ以外、つまり魔女を狩る者としての、多くの魔法少女と同じ行動。
ソウルジェムを使って魔女や使い魔を探索し、
魔女を退治してグリーフシードを手に入れ、
ソウルジェムに溜まった穢れを取り除く。
……それだけ?
何だか拍子抜けだ、とほむらは思った。
と言っても、これがごく一般的な魔法少女の日常なのだ。
ほむらの様に特殊な環境下で、過密なスケジュールをこなす者はそうは居ない。
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