過去ログ - ほむら「この話に最初からハッピーエンドなんて、ない」
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46:以下、VIPPERに代わりましてGUNMARがお送りします[saga]
2012/02/29(水) 21:05:48.63 ID:fRW4icTG0
あぁ、分かった。
この人は、
まっすぐ私と向き合っていられないほど、
私のことが、憎いんだ――

それは半ば、雷鳴の如き閃きだった。
美国織莉子、答えを得たり。

心臓の音が五月蝿い。手が、足が、全身がカタカタと小刻みに震えている。
緑の黒髪をした少女は、話は終わりとばかりに、既に踵を返していた。

何故だろう? 私は、こんなにも憎まれているというのに。
殺したいほどの憎悪を、彼女から一方的に浴びせられている筈なのに。
ならば私の中に込み上げてくる、この胸の高鳴りは何だろう?

「――あなたは、私を憎んでいるのですね」

だから、これはただの確認だった。

「ええ、そうよ。私は、お前を許さない」

私は、お前を許さない。
お前を許さない。
お前。

これは掛け値なしに、世界でただ一つ、私の為に紡がれた言葉だ。
彼女は言った。お前、と。
あの言葉も感情も全て、美国ではない、私個人に向けられたもの。

救いはあった。希望もあった。
あの子は相変わらず、今でも怖いけれど、それでも。
恐怖よりも、喜びの方がきっと大きい。

憎悪こそが、救い。
それは余りにも歪んでいたが、織莉子にとっては紛れもなく「希望」であったのだ。





暁美ほむらと、美国織莉子。
その在り方故に、決して相容れない宿命の怨敵。
狂った運命は、磁石の同極を結びつけ、彼女等に何を齎そうというのか。

……二人の思いは、未だに交錯していない。


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