過去ログ - ほむら「この話に最初からハッピーエンドなんて、ない」
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以下、VIPPERに代わりましてGUNMARがお送りします
[saga]
2012/04/16(月) 21:57:57.62 ID:96R0uFqc0
信じられない、という風に目を見張るまどかに、さやかは不敵な笑みで応える。
「ふっふっふ。その通り、愛しのまどかの為にバッチリ取っておいたのさ!」
「さやかちゃん、……本当に、本物のさやかちゃんなの?」
「し、失礼な! なに言い出すのさ!?」
「ご、ごめん」
「傷付くなぁ、もう……」
握り拳を上げてプリプリ怒り出すさやかに、慌てて手を合わせるまどか。
お互いの視線が交錯したまま、暫くしてどちらからともなく自然に笑い出す。
まどかは今、とても穏やかな気持ちに包まれていた。
……そうだ。こうしてさやかが居て、ほむらや仁美、大好きな家族が居てくれる。
大切な人達が傍に居るから、この先に待ち受ける険しい道も、きっと乗り越えて行ける。
「行こっか。仁美ちゃん、本当に待たせちゃう」
「――ッ」
その時、後ろに控えていたほむらの痩身が、斜めに傾いだ。
のめりそうになったほむらは咄嗟に歩幅を広げ、バランスを取り直す。
「ほむらちゃん!」
「……大丈夫よ」
まどかの呼び掛けに答えるほむらの顔面は蒼白で、お世辞にも健康とは言い難い。
元々口数の少ないほむらではあったが、いつにも況して寡黙だったのは不調の所為か。
さやかは後頭部をガシガシ掻いて、心配そうにほむらの顔を覗き込む。
「うーん、顔色悪いとは思ったけど、ここまでとはねぇ。……肩貸そうか?」
「……」
「歩ける? 無理だったら、少し休んで」
「……まどか、先に行ってて貰える? 大丈夫よ、すぐに合流するから」
「えっ?」
"それなら、ほむらは僕が看ておくよ。このままだと、三人とも仁美との待ち合わせに遅れるだろう?"
「でも……」
まどかはキュゥべえの申し出は有り難いと思ったが、ほむらをこの場に置いていくのは躊躇われた。
……だが然し、まどかはほむらの不調の原因に心当たりがあった。
ほむらは魔法少女であり、多少の風邪や怪我は魔法を使えば治してしまえる。
故に、ほむらに異常があるとすれば、それは心の悩みに他ならない。
永遠の迷路を抜け出したほむらは、まどかとの日常を手に入れた代償として、時間操作の能力を失った。
魔女との戦いは今迄以上に命懸けだ。ほむらはまどかに助けて貰わなければ、使い魔すら碌に倒せない。
ほむらが自身の力不足を気に病んでいる様子は、まどかにも伝わっていた。
ここでまどかがほむらを慰めても、厭味にしかならないのかも知れない。
かといって、もう魔女退治に同行していないさやかには、詳しい内情は分からない。
その雰囲気は勘の良いさやかも感じ取っている様で、困ったなぁ、という顔をしていた。
"決まりだね。ほむらが平気そうでも、このまま帰るにしても、僕が連絡するから任せてよ"
「うん……。キュゥべえ、ほむらちゃんのこと、お願いね」
「無理は禁物だぞ。あんたか弱そうだし、繊細な乙女ーって感じするし」
まどかはほむらの姿が見えなくなるまで、頻りに振り返っていた。
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